犬は追えども去らず 自分の中の足りない欠片をずっと追いかけている。 足りないと思うのは欲深いからだとわかっていて、欲深い自分が恥ずかしい。 でも足りない欠片のある、そのぽっかり空いた部分で、私は何かを書いたり、撮ったり、…
千切れたテープ 大切なことだから動けるということも。 大切なことだから動けないということも。 どちらもある。 「やっていることを見て、もっとバリバリした人かと思ってたのが、揺れる人なんだ、って文章を見たら思って。」 …
願いと旅 やりたいと思っていることがある。でもなかなか手は届かなさそう。願いを叶えるコツは心に置いたまま一度ブラックボックスに入れて忘れること、と思っているのだけど、願いが強すぎると忘れ難い。 時々、旅のことを…
20161230 今年はなんだか年末感のないままに大晦日を迎えようとしている。12月の後には13月が来そう。 そんな風に、結局1日1日は昨日とつながっている今日でしかない、とも思うし、何故だか季節を失ったようで焦る気持…
おばあちゃんのこと 先週、一緒に住んでいたおばあちゃんが亡くなった。 一緒に住んでいたと言っても、今年の3月からは施設や病院を行ったり来たりだったのでびっしり一緒にいたわけではないけれど。 私が島に引っ越してくる2ヶ月く…
勝ち負けじゃない価値観 6月、ウィーンに行った時、一人で地下鉄と路面電車を乗り継いで図書館をまわった。 ウィーンの図書館はオーストリア国立図書館が美しいと有名なのだけれど、ウィーン中央図書館の方が「生きている図書館」の空気が…
10月はブラッドベリの月 9ヶ月ぶりくらいに月末持ち越しの仕事がない末日。と言っても仕事ではない約束や、やらなきゃいけないことをぶっちぎりで持ち越している大人としての出来の悪さ。 少し眠って雨があがったらやらなきゃいけないこと…
写真はまるで真実のように見えてしまう 素敵な人たちと知り合う場所があった。 そこで写真家さんから「男性は写真から情報を読み取りたがる」という話を聞いた。 そういえば、昔個展をした時に、写真を撮った場所を知りたがるのは男性ばかりだったな、と…
記憶の技法 ずっとあるかのように思っていたものがなくなる。ずっとあるどころか、有る無しを意識すらしなかったものが消える。 そんな日々に身を置いていた。 街の一角、空き地になってから、ここには前何があったっけ?と考…
海へ続く道を駆けおりる 寛容でありたいと思うことによって毒を溜める矛盾について考えている。 図書館ができる少し前。ようこさんが、寒い中作業をするみんなのために肉まんを作ってくれた。 半日かけて男木島に来て、凍えている人のため…
沸騰 怒るということが得意ではない。いつでも自分の正義を疑おうと思っているから。 でも同時に誰かが怒っている時にはきちんと向き合いたいとも思う。 その人の「大切」がそこにあるように感じるから。 沸騰したお湯…
針の穴に通すような願い こんなに何ヶ月もの間「書かなかった」のはいつぶりだろう。 小さな島に小さな図書館をつくった。 生きることに言い訳をしたくなくて、ずっと走っている。 「今」は一瞬で消え去るから。 でもそれは、沿道で手を…