2月、福島へ ― その1  [Fukushima at February 4,2012]

雪降る街。福島に行ってきました。5月に帰省して以来、震災後2度目の福島です。人住む美しい生きた場所。

3日間。福島の農家さんの話を聞き、福島第一原発20km圏内を見て来ました。
もちろん、私のような何もない人間が20km圏内にただ入れるわけもなく、この福島行きはHOPE-Japanプロジェクトの全面協力によって成り立ちました。
深くお礼を。
私はジャーナリストではないし、自分の写真が何を伝えられるか自分でわかってもいないです。
ただひたすらに、愛情と敬意を持って、祈るような気持ちでシャッターを切りました。

2011年3月11日からもうすぐ1年。冬の福島。何回かにわけて撮った写真をアップしていきます。

 

伊丹から1時間。新幹線だと東京で乗り換えが入って6時間以上かかるのに飛行機だとあっという間。

 

降りた瞬間、空気が変わって、綺麗で、声が出た。光の色が全然違う。雪のある場所の色。澄んで跳ねる光。

 

バスで郡山へ。

曇った窓の向こう、やっぱり綺麗。

雪で郡山から福島への新幹線が70分遅れ。罠。

今回2日間は関西テレビさんの取材が一緒でした。キャラバン。
「多分東京より関西の方が自由に報道できるのですよ」と言う言葉が印象的でした。
3時間取材をして使う映像は1分の世界。

福島駅。吹雪。

現像した写真を見て、自分がとてもきつい顔をしていてびっくりした。全身の神経を張って、カメラだけじゃなく五感で全部を感じようとしてた。

土のベクレル検査の取材についていく。

雪が積もる音を「しんしん」って最初に言ったのは誰なんだろう。音が無くなる音。

福島で採った食べ物で、ご飯を出しているうどんダイニングDonさんで夕飯。

と、言っても、震災前は地産地消に拘っていたけれど、今はそうもいかないと話してくれる大将。
「嫌になっちゃうべ。電話がかかってくるんだ。おたくでは『きぬあずま』使ってるんですか?」って。
「なんでですか?」
「小麦からも出たからな。嫌なんだべ。どっちにしても入ってこないから今は使ってないの。もうしょうがねえべ。看板に偽りあり。」

嫌になる、とか、しょうがない、とか、言いながらも、大将は笑って前を向いていた。
福島を選んで、福島に住むということ。
食べ物が本当に美味しかった。いかにんじん。
福島に帰ると、いつもちょっと甘くてちょっと味が濃いと思う。それが懐かしい。

大好きだって思いながら撮ったのに、ぼけちゃった。

その2へ続く。