寛容でありたいと思うことによって毒を溜める矛盾について考えている。
図書館ができる少し前。ようこさんが、寒い中作業をするみんなのために肉まんを作ってくれた。
半日かけて男木島に来て、凍えている人のために温かいものを作る。それはすごいことだ。
温かいものを差し出すに人になりたいのに、私は温かいものをもらうばかりだ。
恩返しできる自分になりたいと思い続けてまだなれていない。
震災の後、福島で撮った写真もキャベツだった。
いろんなものがぐるりと巡っている気がする。
時々、夕暮れの美しさに追われて。海へ続く道を駆けおりる。
キャベツも夕暮れも、毒も、体に取り込んで生きていく。