それぞれのLIFE 伝わらないと泣いた夜がある。伝わったことが嬉しいと泣いた夜もある。でも、伝わるなんてことは幻なんじゃないかとも思う。それでもその幻想は優しいものだし、その幻想が私を、誰かを暖めることができるのならそれ…
今頃君は流れ星くだいて 湯舟に浮かべて僕を待ってる 星が降ると噂に聞いて、昨日の深夜、こっそりと家を抜け出した。私の住む街はやっぱり眩しすぎて、雲も薄く空を覆って。流れる星は見えず。でも、その見えない奥に散らばる欠片を想像して、少し不思議な気持ちになっ…
水の名前、世界の音 これも、昔書いた芝居のタイトル。舞台は閉じられた部屋。女が独り住んでいる。そして猫。猫と呼ばれる男。猫は他の人からは猫にしか見えない。そして女に何が起ころうと見守ることしかできない。そんな距離の話。女…
日々の泡 トランペットを見る黒人の子供のようにカメラを見ていたら、カメラ屋さんの親切なおじさんが色々と教えてくれた。銀塩に対してとっかかりが皆無だった私に優しい。今NIKONのデジタル一眼を使っているなら、銀塩…
陽だまりのにおい 雨上がりの空 与えられたのなら受けとめよう 「祈る」と言う言葉を良く使う。無宗教なのに。もしかしたら無宗教だからこそ使えるのかもしれない。神様にではなく、自分のためではなく、誰かを想いながら祈れることを幸福と感じる。穏やかな眠りを、光を、好転を…
冬にはひとり旅に出る 20代の頃は自分の書いたものを読んだ人に刺されて死にたいと思っていた。それ程までに言葉で誰かの心を動かせたらそれが自分にとっての幸福だと考えていた。30を過ぎて。私は自分の言葉が人をどうしようもなく傷…
記憶 少し前にPHOTO GRAPHICAという雑誌を買いました。写真家さんには詳しくないのだけれど森山大道特集。フィルムで撮る写真とデジタルの写真の違いについてのインタビュー記事があって興味深かったです。…
遠回りしてまた転んで 「だけどこんなに胸が痛むのはなんの花に喩えられましょう」 花を撮る時はいつも誰かを想っている。会っていても出会えていない人がいる中で、色んな感情を抱えながら、色んな状況を抱えながら、それでも少なくとも…
目に見えるすべてが優しさとはるかな君に伝えて 今日はなんだか影ばかり撮っていた。金木犀が香って、小学生の頃拾った花を筆箱に入れていたことを思い出した。匂いの記憶って深い。「ありとあらゆる種類の言葉を知って何も言えなくなるなんて そんなバカなあやま…
ライナスの毛布 道具のことばかり考えている。道具のことばかり考えてもしょうがないのに。これはカメラの話であり、カメラの話ではない。多分。ツールとして何を使うか。考えるべきはツールではなくその先なのはわかっている。でも…