夜の子供 子供の頃は、遊園地の乗り物に乗るのが好きだった。ジェットコースターも怖くなかった。いつのまにか、ジェットコースターは怖くなって、色んな遊具は乗るよりも見ている方が好きになった。そして昼よりも夜が好きに…
十一月の白さは、その白さに尋ねなければならない 私にはある種の人たちの感情をどうしようもなく揺れ動かしてしまう部分があるらしい。それは、多分、とても良いことでもあるのだけど、決して良い側面ばかりではなくて。時折、過剰な愛情や、愛情から引っ繰り返った…
「知らず周の夢に胡蝶と為れるか、胡蝶の夢に周と為れるか。」 一昨日の夜から昨日の朝にかけて、両耳が聴こえなくなるという稀有な体験をした。もともと突発性難聴で左耳の聴力はないのだけど、その上で右耳に膿と血が溜まってふさがれる形で両耳が聴こえなくなった。何か音がし…
誰も、誰かの代わりにはなれない かなり幼い頃から私は「書く」という人生を選んできて、今もその延長線上に立っている。幼稚園の頃から教室の隅で本ばかり読んでいた女の子は、文字の世界に遊び、言葉に悩み、文章を書きながら大人になった。その自…
明日また電話するよ 私の撮るものに興味が無いと思っていた人から突然「あなたの写真って全部死ぬ直前みたいな光景だよね」と言われる。誉め言葉、らしい。別の人には「未練みたいなものを感じる」と言われる。誉め言葉、らしい。 自分…
夕暮れ電車 夕暮れの電車。明るい車内を外から覗くと、時々目が合うような錯覚を覚える。二度と擦れ違うことのない誰か。その名称未設定の誰かの人生を想う。きっと、あの人も、泣いたり笑ったり怒ったり憤ったり喜んだり(それ…
夜の果て 恥ずかしながら吉本ばななが好きで。その中でも「白河夜船」という短編が好きなのだけど、その小説で「夜の果て」という表現が出て来た気がしてgoogleさんで調べてみた。すると目的のものは全く引っかからなく…