聴かせてよ、君の声、世界の音

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Bessaflex TM + CARL ZEISS JENA FLEKTOGON 35mm/F2.4 + Kodak T-MAX400

「みどりのゆび」は植物をわさわさ育てることができる指。「ちゃいろのゆび」は植物をどんなに育てようとしても枯らしちゃう指。
私はちゃいろのゆびを持っている。

才能と言ってもいいのかもしれない。ある程度は努力でどうにかなるかもしれないけれど、そういう何かを発している(電化製品がすぐショートしちゃう人がいるように)人っているんだと思う。みどりのゆびの人と、ちゃいろのゆびの人。
植物の声が聴こえてるみたいにわさわさ茂らせることができる指。調べて調べて、気をつけてお水をあげて、肥料もあげて、植え替えもして、それでも植物を枯らしてしまう指。
とても細やかに丁寧に家のことをする友人が「ちゃいろのゆびなの」と言ってバジルすら枯らしたと笑った時にそう思った。

岡村さん復帰のナインティナインのANNを聞いて。思いだしたこと。
一番自分が酷かった時のことは笑って話せはまだしないのだけど。ちょっと小康状態だった時に観葉植物を買いまくって家がジャングルみたいになっちゃったことがある。
自分が何かを育てるのは苦手だと知ってるから、アイビーとかサンスベリアとか枯れにくいのを買って、水をあげて、肥料もあげて、植え替えもしてって面倒をみていた。それなのにふと気がついたら葉っぱの元気が無くなって、私は枯れにくいって言われる植物すら育てられないのだと落ち込んで。
少しずつその「植物を育てたいブーム」は去って、鉢植えが2、3個になって。最後、自分が買った鉢植えじゃなくて年下の友人にもらったパキラが枯れた頃、私は元気になった。

上手く言えないけれど、あの時あの植物たちは私の負のオーラみたいなものをぐんぐん吸い取ってぱたりぱたりと枯れて行ったんじゃないのかな。ごめんね、ってずっと思っていたけれど、ごめんねじゃなくてありがとうだね。

かわいそうな目に合わせるくらいならもう育てないと考えていたけれど、暖かくなったら何か種を植えてみようかとふと思う。懲りない。

最近撮る写真はなんだか音のない世界のようだ。聴かせてよ、君の声、世界の音。耳を澄ます。