混乱を愛して、なんて不遜なこと。 清も濁も飲み込みたいと、ずっと思っていた。それは今も変わらないのだけど、清と濁なんて簡単に分けられないこともたくさん知った。むしろ分けられるものの方が少ない。混乱と混沌。清の中にある濁。濁の中にある清…
こたえあわせ 今日の大阪は泣いてるみたいな雨でした。小さな映画館で観た「空気人形」は切ない話で。人はみないびつな心と、ぽっかりと空いた穴を抱えて生きていて。できるなら、そこにちょっとだけ寄り添えたらと祈るように思う…
屋根裏の散歩者 「撮りたい」という衝動に寄り添って街を見ていると、自分の窃視症的部分に気づかされることがある。街中で人目を憚らずキスをするカップル、道路の端眠る浮浪者、短いスカートの女の子、耳にルーズリーフのようなピ…
ありがとうの日 誕生日に遠い友人からポストカードが届いた。ワイングラスとチーズケーキも届いた。そんな風に気にかけて心を割いてくれる人がいるということをしみじみと幸福だと思う。だから誕生日は「おめでとう」って言われたい…
ハリネズミあるいは線香花火的シャンデリア ハリネズミのジレンマ。時々聞く言葉。単に近づきたいけど近づけないって話かと思っていたら、「互いに痛みを我慢でき、互いのぬくもりを感じあえる距離を見つけました。めでたしめでたし。」というラストがあること…
人魚のいない海 「海にゐるのは、あれは人魚ではないのです。海にゐるのは、あれは、浪ばかり。 曇つた北海の空の下、浪はところどころ歯をむいて、空を呪つてゐるのです。いつはてるとも知れない呪。」 中原中也のこの詩を読ん…
心 光 鏡 影 世界 いつも「何を撮ろう」という気構えはなくカメラを持って出かける。気にかかったものがあったら撮るし、持って出たのに1枚も撮らない日もある。撮りたいと思ったものだけを撮る、という事を心がけているのだけど、冴…