人魚のいない海 「海にゐるのは、あれは人魚ではないのです。海にゐるのは、あれは、浪ばかり。 曇つた北海の空の下、浪はところどころ歯をむいて、空を呪つてゐるのです。いつはてるとも知れない呪。」 中原中也のこの詩を読んだ時に、私は何故か、いないと言っているその人魚が思い浮かんだ。これは、人魚のいない海。曇天の下、汚れた人魚の住めぬ海。ロマンチックの欠片もない。でも、嫌いじゃない。 ぐらり。 共有:クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます) 関連 Share: Twitter Facebook Google+