私は所謂「器用貧乏」と言われるような人間で。要領を飲み込んである程度まで行くのは早いのだけど、それ以上の壁がなかなか打ち破れない。写真も、なんとなくコツみたいなものを掴んだ気がすると、すぐに小手先でシャッターを切ろうとしてしまう。小手先がなんなのかわかるほど深いところにいるわけではないけれども、なんとなく自分でそう感じる。同じものを撮る時に勢いでシャッターを切った1枚目と、腰を据えて構図や光を考えて切った2枚目で、後から見直すと1枚目の方が良い時が多々ある。そういう「何かわからないもの」を自分の手にしっかりと握りたくて、今は潜っている。トンネルの向こう。抜ける日が来るかどうかはわからなくても、光の射す方へ。