2月、福島へ ― その5 福島第一原発20km圏内  [Fukushima at February 6,2012]

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ずっと、この場所にあった「リアル」について考えている。
私たちは、この20km圏内という場所を、「20km圏内」という記号、週刊誌や報道の向こう側だけにある非リアルなものとして捉えてはいないだろうか?
そこは今私たちが住む町と変わらず、人が住んでいた街。
そして現実に今も事故の起こった東京電力福島第一原子力発電所で働いてくれている人たちがいるということ。
それは遠い国の出来事でも、週刊誌やテレビの中にしかないものではない。

Jヴィレッジのある広野町から圏内を抜けた。

20km圏内途中で降り始めた雨は、本降りになっていた。
けぶる山の向こうに鉄塔が見えた。

これで2月福島の写真は最後。

全面協力して下さった、HOPE-Japanプロジェクト、藤田さん、容堂さん、取材に同行させてくださった関西テレビスーパーニュースアンカーさん、
快くお話を聞かせて下さった、草野さん、須藤さん、長谷川さん、小澤さん、uDonの大将に心からの感謝を。

なんて言葉を結べばいいのかわからない。
2011年3月11日の地震からもうすぐ1年がたとうとしている。

福島をめぐる状況は刻々と変化していて、(それは福島に生まれ育って家族や友人が福島に居る私もそうなのだけれど)
戸惑いと、不安と、憤りと、諦めと、希望の中に居るように思う。
この5回にわけてアップした福島の話、時系列順にしたので最後に20km圏内の話になったけれど、どうか遡って福島の綺麗な景色やみんなの笑顔も見て欲しいと思う。
そのどちらも、今の福島が持っているものだから。