「後で」ってちょっと思ったら、光や温度や音やそういうものはすぐに進んでしまって、二度と戻ってこない。
二度と戻らない時なんて、安っぽい昭和のポップスの歌詞みたいだけど、写真を撮るようになって「この時は今だけなんだ」ということを強く感じるようになった。
楽しければ楽しいほど、大勢の中に居れば居るほど、自分の内の独りを感じる。
誰ていてもどんなにやさしい時間に居ても、それは過ぎ去るものだということ。
それは、だからこそ美しい。
胸が痛いくらいじゃないといい写真は撮れない、と笑った。
いい写真が何かなんて私はまだ全然わからないけれど、胸が痛んだ時に撮った写真は後から見てもちゃんと痛い。