私の撮るものに興味が無いと思っていた人から突然「あなたの写真って全部死ぬ直前みたいな光景だよね」と言われる。誉め言葉、らしい。別の人には「未練みたいなものを感じる」と言われる。誉め言葉、らしい。
自分ではさっぱりわからなくて。ただひたすらに匂いや湿度を求めて撮っている。痛みの記憶をなぞるように。
わかるのは、写真に対する無我夢中さは、私を助けていると言うこと。言葉に囚われて、言葉のみに光と闇を求めてきた私に、微かだけれど、バランスのとり方みたいなものを、そっと示してくれている気がする。真っ暗な山道小さく燈った公衆電話の灯かりみたいに。もしもし、もしもし、
ワインの薀蓄は私には意味がなくて、
ボトルもラベルも要らなくて、
口に合うなら値段も関係なくて。
貴方の写真がとっても好きです。