羊、吠える

「殴られたなら もう片一方の頰を差し出すように 潔く生きれたならどんなにか素敵だろう」
狼の血筋でもないけれど、羊なんてかわいいものでもない。

ぐしゃっとなって、くたっとなって。
冷蔵庫の野菜室に長いこといれられたホウレン草みたいになってた。
同じ緑なら、根を張って地面から水をぐんぐん吸う緑になりたい。
ここで休んで良いんだよってする大きな樹になるのは無理でも、地や壁を這いつくばって育つしなやかさを持った蔦みたいになりたい。

お腹にちゃんと落ちた言葉や物事は大事にしたい。
気づかないこともたくさんある。
自分と人は違うから「自分だったら」で考えすぎない。況してや誰かをくくってわかったような気にならない。
ひとりひとりみんな違うということ。
一番大切にしたいことなのに、してるつもりなのに、「つもり」や自分の大切を抱えすぎて頑なになって見えなくなったりする。
大事なのは「自分の大切」じゃなくて、そこにいる人、なのに。

ちょっとだけ自分が変わったように感じる。
かたくなさはなかなかほどけないけれど。
もっともっと柔らかくなりたい。