心の中に箱がある。外側は銀のようなものでできていてひんやりとしている。光沢も装飾もない。内側は黒のビロードでふんわりとしていて、硬いものを入れてもコトリとも音はしない。
そんな箱。
その箱の中にあるのは、大切なのに散らばってしまいそうなもの。あまりにも露わすぎてそのまま置いておいたら傷だらけになりそうなもの。大事だけど忘れても良いもの。