夕暮れ電車

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夕暮れの電車。明るい車内を外から覗くと、時々目が合うような錯覚を覚える。二度と擦れ違うことのない誰か。その名称未設定の誰かの人生を想う。きっと、あの人も、泣いたり笑ったり怒ったり憤ったり喜んだり(それぞれの比率は違っても)そんなものを抱いて誰もが生きている。電車に乗った時に見る、たくさんの家の灯りもそう。その家それぞれに生活が、そしてきっと小さなドラマがある。この世界では擦れ違う人よりも、擦れ違わない人の方が圧倒的に多くて。ただ擦れ違えるということだけでも、本当はすごいことなのかも知れないなんて思う。それはこの2次元の世界でも。ここを見てくれて、読んでくれてありがとう、と擦れ違いのあなたに。