沸騰

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怒るということが得意ではない。いつでも自分の正義を疑おうと思っているから。
でも同時に誰かが怒っている時にはきちんと向き合いたいとも思う。
その人の「大切」がそこにあるように感じるから。

沸騰したお湯の中で破裂する空気みたいに、ふっと生まれた怒りがあって。
自分のその根っこをわかりたくて話したら「踏みにじられたように感じたんじゃないの?」と言われる。

時々、そういった感情を切り離さなければと思うことがある。

あなたと私はわかりあえない。
それは悲しいことではなく、そう立つことから、相手を尊重できる関係が始まる。
そんな風に思うという話をした。
そんな風な話ができるということは幸せなことのように思った。