きがくるうまえにからだをつかってね

少し前に、踊る人の映画を観た。今年に入ってからびっくりするほど映画館に行ってなくて、これはもう今年はそういう年なんだ諦めようと思ったのだけど、諦めきれなくて2時間の旅。
「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」
身体を使う人、は、地面や空気と繋がっているように感じる。世界の在り方を、ずっと問うて、問いながら知っている。
言葉以外の世界へのアクセス方法を持つということは、少し強い。
私は写真を撮るようになって少し強くなったように思う。

とても佳い映画だったのに、音も映像も心地良すぎて少しうとうとしてしまった。
映画で眠るなんて15年ぶりぐらい。眠るのは得意じゃない。弛緩。柔らかさ。気を許すということ。
気を張っていたんだな、と気づく。身体に気づかされることが多くなった。
写真もそう。無意識に撮っていたものが、後から見て、答えあわせみたいになったりする。

飛びたい、泳ぎたいと願う前に、もっと自分を知らなきゃな。

鳥は翼の動かし方を意識せずとも持っている。それを不思議と想う。

エディンバラ、アーサー王の玉座の前で/Hasselblad 503cx + Carl Zeiss T* Planar CF 80mm F2.8 + KODAK PORTRA 400vc