福島の写真のこと

このブログに載せていた2012年2月警戒区域だった場所の写真と文章を削除しました。
その写真は誰かを傷つけるものかもしれない。「かも」ではなく、傷つけるものだということを、思いました。
(声をあげられなかっただけかもしれないけれど、指摘されたわけではないです。寛容に深く感謝しています。)

私が撮った写真の場所の殆どは2012年4月16日に警戒区域を解除され避難指示解除準備区域、居住制限区域となりました。

震災はまだ終わっていないと思っています。
それどころか福島を囲む状況はますます複雑化している。
だからこそ。

1万人が「忘れるな」って言っても、経験した人が1人でも忘れたいなら。
1万人が「見て良かった」って言っても、経験した人を1人でも傷つけるなら。
今、私がすべきことではない。

故郷だとか、20km圏内に縁ある人から見たい見て欲しいという声があったとか、そんなの全部自分の言い訳でしかないのだと今考えています。

一度上げていたものを削除するのは無責任かもとか、誠実じゃないかも、とも思いました。
関わって下さっている方たちにも申し訳ないとも。

それでもごめんなさい。

今の私が、向きあって誠実であろうとしたらこういう形になりました。

お話を聞かせてくださった農家さんの写真はそのまま載せています。
ただひっそりと非公開にすれば良いのかもしれないけれど、自分の発したものに対して考えていることをきちんと書いておいた方が良いと思い、この文章を記しています。(責任とか逃げないとかそういうかっこいいものじゃなくて、もがいている一個人の思考です。)

福島に想うことのある方は、できれば無い方も。福島を訪れてみてください。
インターネットの情報だけじゃなく、テレビや週刊誌の話だけじゃなく。
福島は、不思議な地名がいっぱいあって、食べ物が美味しくて、美しい場所です。